写真1 岡野栄泉(新しい暖簾は左横書) 写真2 比留間歯科医院 写真3 うぶけや 文章の書き方に縦書きと横書きがありますが、日本は中国と同じく縦書きの国です。中国の漢字は昔から縦書きでしたから、漢字を導入した日本は中国の縦書きに倣ったのです。
日本文は便箋でも、葉書でも、巻紙でも縦書きで右から左へ書き進みます。縦幅が狭い横長の額に文字を書く場合には、一列で右から左へと横書きしますが、これは原理的には横書きではなく、縦書きの一字が一行として、逐次左へ行を増やした書き方で、横書きのように見えても縦書きなのです。
英語などの欧米語の殆どは左から右への左横書きです。ただ、中東圏のアラビア語などは、逆に右から左への右横書きです。変わっているのはモンゴル語(モンゴル文字)でして、縦書きでありながら左から右へと行を進める左縦書きです。
数式や科学記号を多用する理科系の書物が横書きになるのは分かりますが、戦後は日本文の横書きが流行りだし、一般の図書でも欧米語と同じ左横書きの書物が増えました。それに連られて、従来は右から左への右横書きだった商店などの横看板も左横書きに変わってしまい、今では例外なく横看板は左横書きです。
ですから、街を歩いていて右横書きの看板の建物を見つけたら、それは古くからある由緒ある建物と思っていいのです。台東区の和菓子屋「岡埜栄泉」、墨田区の「比留間歯科医院」、中央区の「うぶけや」の看板は昔からの右横書きですので、戦前から戦災にも遭わずに下町で営業していたことの証です。 (写真1、2)
歴史はさておき、横書きの場合、右書きと左書きのどちらが便利かというと、やはり欧米語のように左横書きだと思います。直前まで書き進んだ文字を見ながら書く方が自然だからです。更に、筆や万年筆で書くときには、濡れた筆跡を気にしないで済みますから便利でもあります。
しかし、私は縦書きの葉書や手紙では、右から左へ行を進める慣習を変えることができません。皆が行う習慣を一人だけ破るのは大変な努力が要るものです。 (以上)
写真1 岡野栄泉(新しい暖簾は左横書) 写真2 比留間歯科医院 文章の書き方に縦書きと横書きがありますが、日本は中国と同じく縦書きの国です。中国の漢字は昔から縦書きでしたから、漢字を導入した日本は中国の縦書きに倣ったのです。
日本文は便箋でも、葉書でも、巻紙でも縦書きで右から左へ書き進みます。縦幅が狭い横長の額に文字を書く場合には、一列で右から左へと横書きしますが、これは原理的には横書きではなく、縦書きの一字が一行として、逐次左へ行を増やした書き方で、横書きのように見えても縦書きなのです。
英語などの欧米語の殆どは左から右への左横書きです。ただ、中東圏のアラビア語などは、逆に右から左への右横書きです。変わっているのはモンゴル語(モンゴル文字)でして、縦書きでありながら左から右へと行を進める左縦書きです。
数式や科学記号を多用する理科系の書物が横書きになるのは分かりますが、戦後は日本文の横書きが流行りだし、一般の図書でも欧米語と同じ左横書きの書物が増えました。それに連られて、従来は右から左への右横書きだった商店などの横看板も左横書きに変わってしまい、今では例外なく横看板は左横書きです。
ですから、街を歩いていて右横書きの看板の建物を見つけたら、それは古くからある由緒ある建物と思っていいのです。台東区の和菓子屋「岡埜栄泉」、墨田区の「比留間歯科医院」の看板は昔からの右横書きですので、戦前から戦災にも遭わずに下町で営業していたことの証です。 (写真1、2)
歴史はさておき、横書きの場合、右書きと左書きのどちらが便利かというと、やはり欧米語のように左横書きだと思います。直前まで書き進んだ文字を見ながら書く方が自然だからです。更に、筆や万年筆で書くときには、濡れた筆跡を気にしないで済みますから便利でもあります。
しかし、私は縦書きの葉書や手紙では、右から左へ行を進める慣習を変えることができません。皆が行う習慣を一人だけ破るのは大変な努力が要るものです。 (以上)
スポンサーサイト
|
トラックバックURL
→http://wakowphoto.blog61.fc2.com/tb.php/980-b7ef5292
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
|