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色彩だけのデザイン
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電話会社を変えても従来の電話番号を引き継げるという制度(番号持ち運び制度)が発足して、携帯電話会社の間で顧客争奪戦は激しくなっています。その影響もあってか、携帯電話の普及率も大いに上がっています。

電話の料金と機能は、電話会社の間に余り差はありませんから、差別を付けるのは電話機のデザインとなります。デザインと言っても、携帯電話の場合は服装や自動車のように形の選択肢が豊富でありませんから、色々な形を考案する余地は少ないです。

そこで色彩が力を発揮します。電話会社のソフトバンクは、今年の春、同一機種で20色の電話機を発売しました。他の会社が3~4色なのに対し、一気にその数倍の色違いの携帯電話機を市場に出したのです。他人とは差別化したいと言う消費者心理を狙ったものです。

この手の色彩差別化の戦術は、既にユニクロが衣料品で成功させています。ソフトバンクの色彩デザイン作戦は、その意味では二番煎じでしたが、他の電話会社の虚を突いたものでした。ただその当時、ソフトバンクは宣伝した料金体系に欺瞞があるとの批判を受けて、折角のデザイン戦術もソフトバンクの売上げに余り貢献しなかったようです。

最近、iPod が、ソフトバンクの色彩デザイン戦術を真似して、色彩だけのデザインで売り込む作戦を始めています。機能や形態で開拓が行き詰まった成熟市場は「色」で攻めろと言うわけでしょう。これからも色々の製品分野で色彩だけのデザイン競争が続くと思います。

多様な色彩の同一機種が店頭に並んでいるのを見ると、パステルカラーを見るようで誠に美しいものです。中間色の連続にはグラデーション効果があるからです。しかし、人々はその内の一つを持つわけですから、グラデーション効果は店頭に並んでいる時だけです。

そして、人には好みがありますから、カラーによって売れ残りが生じます。売れ残りは当然生産コストに加算されます。ユニクロ、ソフトバンク、iPod がカラーデザインを継続しているところを見ると、十分採算が取れているのでしょう。

色彩は流行の先行指標と言われます。そして流行を予測することは難しいことです。彼らは、多くの弾を撃って命中する色をいち早く知ろうとしているのかも知れません。人々の感性に訴える力は、形態よりも色彩にあります。色彩デザインの競争は、今後も激しくなるばかりです。
(以上)
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【2007/05/13 15:56】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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