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日本のデザイン力とデザイナーたち
デザイナーという職業は若者にとって魅力ある仕事です。華々しい職業なので多くの優秀な若者が集まります。成功すれば高い報酬も約束されるので、日本でも益々希望者は増えています。

高度成長時代の日本では、性能の良いものを安く早く作ることが至上命令でした。デザインには関心が低く、重要性を認めませんでした。デザイナーの質も低く、デザイナーの意見が尊重されることも少なかった時代でした。従って、デザイナーという職業は、芸術に関心ある人々以外には魅力ある職業ではありませんでした。

高度成長時代が終わり、人々が量より質を求めるようになると、デザインへの関心が急速に高まります。デザインへの関心は、先ず輸出商品から始まりました。海外市場での競争では、デザインの善し悪しが大きく影響することを実感したからです。

輸出品は電気製品、自動車などの工業製品でしたから、先ず日本のデザイン力は工業製品で試されました。やがてデザイン重視の傾向は産業全般に広がります。企業は市場で勝負を決めるのはデザインだと考えるようになったからです。

次に、大量のものが安く買えるようになると、国内の消費者も良いデザインを求めます。それが企業のデザイン重視政策を更に加速させ、デザイン力を引き上げます。最近では、海外から日本のデザインは簡素で繊細だと評価され、遅れていた日本企業のデザイン力は、国際的にも負けなくなりました。

確かに、戦後の長い間の努力により、日本企業のデザイン力は目覚ましい成長を遂げましたが、本当に実力を備えたかと言うと疑問が残ります。

デザインの良さは一つの商品における装飾性と機能性の融合の良さにありますから、単に商品が便利で安いからというだけでは早晩、厭きられるか、より便利な次の商品に取って代わられます。その商品が長く使われるには、人々の感性に訴える力があり、使う人の生活を感性的に充足させ得る必要があります。

それでは、人々の感性にヒットする商品はどうして生み出せるのか? 海外からの日本製品への評価は簡素さと繊細さにあると、先ほど述べました。その特性は日本の伝統工芸が生み出したものです。伝統には日本人のデザインへの知恵が沢山詰まっています。新しいデザインを考案するときには、古い伝統の知恵を渉猟してみては如何ですか?

近年、日本での美術展やファッション展に大勢の人々が押しかけています。今年(2007年)、東京で開催された「オルセー美術館展-19世紀芸術家たちの楽園」は連日超満員です。入場者は絵を見ずに人の頭と肩を見てきたと笑い話をしていました。日本では、地方の美術展も大いに賑わっていますし、現代アート展にも大勢の人々が集まっています。

芸術というものは、人間の感性を磨き、将来を予見する能力を鋭くするものです。デザインの根底は芸術につながっています。デザイナーはデザインの根源に関心を寄せることも忘れてはならないでしょう。
(以上)


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【2007/03/12 12:33】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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