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モミジ散る朝の庭
初夏に野山を赤く染めるツツジは、燃え上がる情熱を感じさせますが、晩秋に野山を赤く染めるモミジは、燃え尽きる情念の深さを感じさせます。

初冬に入り、時雨に打たれて、木枯らしに吹かれると、情念が燃え尽きたかのようにモミジはその赤い葉を一斉に落とします。。

木枯らしが吹いた翌朝、庭一面にモミジの葉が散っていました。頭上を見上げると、梢の先には明るい秋の青空がありました。

明るくなった庭に目をやると、離れの住まいの前の刈り込まれた植木の上には、散ったモミジの葉が載っていました。初冬の濃緑の植木は赤いアクセントを付けて引き立ちます。離れの窓枠は水色ですから、庭の景色は緑色、水色、赤色の三色の柄模様になっていました。
1.奥庭(石庭):もみじ落ち葉-13D 1611q

2.奥庭(石庭):もみじ落ち葉-14D 1611q

藁葺き屋根の主屋へ通じる敷石の小道は、モミジの厚い落ち葉で埋まっています。一夜で主屋への道に赤い絨毯が敷かれました。
3.奥庭(石庭)-08D 1611qr

セレブになった気持ちでモミジの赤絨毯の上を歩みます。じかに赤絨毯を踏むのを憚り、踏み石を拾いながら進みます。しかし、やがて踏み石にも赤絨毯が敷かれて、行き悩みます。
4.奥庭(石庭):もみじ落ち葉-02D 1611q

そこで立ち止まり、モミジの落ち葉に埋まる敷石を眺めます。敷石は赤い刺繍で縁取りされており、刺繍は敷石の上にも施されています。モミジ葉にすっぽりと隠れてしまった敷石の上を歩くのは憚られ、暫しその美しさに見とれます。
5.奥庭(石庭):もみじ落ち葉-05D 1611q

6.奥庭(石庭):もみじ落ち葉-06D 1611q

7.奥庭(石庭):もみじ落ち葉-04D 1611q

このように地上に散り敷いた紅葉は美しいのですが、モミジの葉がくるくる舞いながら散る姿は、ひときわ悲しみを覚えるようです。

モミジが散るその様子を良寛は俳句に詠みました。
「うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ」と。
その心は、自分は、いいところも、わるいところも、かくさずに見せて死ぬのだと言う意味だそうです。

表と裏を隠さずに落ちたモミジの葉は、地面で混ざり合って、赤い絨毯に濃淡の陰影をつけて、美しさは一層深みを増しました。
8.奥庭(石庭):もみじ落ち葉-10D 1611q

9.奥庭(石庭):もみじ落ち葉-08D 1611q

ここに掲げた写真は、武蔵野の面影を色濃く残す「顧想園(こそうえん)」の朝の風景です。
顧想園は、東京は東久留米市柳窪にあり、園内には、藁葺き屋根の主屋、離れ、土蔵、薬医門、中雀門など、国の登録有形文化財に登録された建造物があります。
(以上)
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【2016/12/02 18:14】 | 風景 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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