FC2ブログ
江戸城 天守台の美 その二
01.桔梗門(内桜田門)-12D 1507qc
写真1 桔梗門(内桜田門)を入ったところにある打込接の石垣
02.桔梗門(内桜田門)-13D 1507qc
写真2 上記の打込接石垣を拡大したもの
03.天守台-08D 1508q
写真3 北側(裏側)から(北桔橋から)見た天守台の石積みの姿。横目地が 一直線となるよう整然と摘まれている。二人の人物と比べた天守台の高さが分かる。
04.天守台:前面下段-18D 1510q
写真4 天守台前面の下段の石積み
05.天守台:前面中段-02D 1510qc
写真5 天守台前面の中段の石積み
06.天守台:前面下段-21D 1510qc
写真6 天守台前面の下段と中段の石積みの比較
07.天守台:前面下段-26D 1510q
写真7 天守台前面の下段と中段の石積みの比較
08.天守台:前面上段-02D 1510q
写真8 天守台前面の上段の石積み
09.天守台:前面上段-07D 1510q
写真9 天守台頂上への入り口通路を劃する上段の石積み 右側
10.天守台:前面上段-10D 1510qc
写真10 天守台頂上への入り口通路を劃する上段の石積み 左側 

天守台の美を語るとき、その全体の容姿が端正であり、重厚であると言うだけでなく、天守台の細部に宿る美についても、また季節で変わる美についても、注目したいものです。

先ず細部については、基本的な石垣の積み方なのですが、自然石をそのまま積む「野づら積み」と、自然石の大体の形を揃えて積み込む「打込接(うちこみはぎ)」と、更に石の側面を鑿(のみ)で平らに削り合わせて石を密着させる「切込接(きりこみはぎ)」という三通りの方法があります。

野づら積みは、自然石をそのまま積み、隙間に小石を詰めた石垣です。この石垣は、手足を掛ける隙間があって敵に登られ易い欠点がありますが、水捌けがよいので崩れにくく、築造にも手間が掛からないので、古い時代には小規模の築城で多く用いられました。

しかし戦国時代になってからは野ずら積みは余り用いられなくなり、防御に強い隙間のない石垣作りが主流となりました。そして堅固な防御が必要な天守台や櫓や濠の石垣には、切込接の石積みが採用され、それ以外の場所には打込接の石垣が用いらています。
(写真1)

前回の写真で見たように、天守台の石積みは全て切込接の石垣ですが、詳しくは切石整層積みと言い、個々の石の高さを水平に揃えて積み、横目地が 一直線になる積み方となっています。見た目には美しいですが、構造的には横揺れに弱いので、これは実用よりは美観を重視した石積みです。
(写真2)

江戸城の天守台の切込接の石垣は、下段には大きめの石を積み、中段には中ぐらいの石を積んでいます。下段には鼠色、薄黄色、白色の石を組み合わせ、中段は暗い色の石を多くして、所々に白い石を混ぜています。
(写真3、4)

下段の石組みと中段の石組みの組み合わせにも変化を持たせています。下段は色彩豊かな大柄の石積みに対して中段は落ち着いた中ぐらいの石積みで、安定感を感じさせます。全体として上品で洒落れたデザインです。
(写真5、6)

天守閣へ上がるには正面の石垣を見ながら上ることになりますので、正面にこのような装飾的な工夫を凝らしたのです。上段の石積みは、下段および中段よりかなり高さがあり、明るい白色で統一しています。正方形の石を横目地を合わせて整然と積み上げているのも、やはり美観を重視してるのです。
(写真7)

天守台頂上への入り口通路を劃する上段の石積みには大きな石を積み上げています。その大きな石は、右手には明るい色の石、左手には暗い色の石を使っています。下段の石積みと中段の石積みの色彩のリズムの変化を、左右の門構えの石積みに繰り返しています。
(写真8、9)

関東の武蔵野台地には産出する巨石は少なく、もしあったとしても陸路運ぶのは困難でしたから、大半は伊豆、箱根辺りから切り出して、小田原から海路、船で運ばせたと言います。箱根や伊豆の石は鼠色でしたから、色彩に変化を持たせるため、薄黄色の石は、瀬戸内海の小島で採掘した石をはるばる運んできたものと言われます。

後ほど紹介する夫々の御門の渡櫓門の門柱でも、色彩の違う石を混ぜて積んでいるものが幾つもありますので、頑丈一点張りの無骨な西欧や中国の城壁に比べて、江戸城の石垣は繊細な装飾性に富んでいることに驚かされます。
(以上)
スポンサーサイト



【2016/02/07 20:48】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<江戸城 天守台の美 その三 | ホーム | 江戸城 天守台の美 その一>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://wakowphoto.blog61.fc2.com/tb.php/723-05f9e912
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |