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水の造形
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水は方円の器に従うと言います。融通無碍の変化を示すのが水の性質です。従って、水の造形は千変万化です。池の静水にもさざ波が立ち、川の流れにも緩急があり、流れ落ちる滝、噴き上げる噴水、海の波浪など、見飽きることはありません。

葛飾北斎の富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」は波浪が崩れ落ちる瞬間を見事に捉えた傑作です。襲いかかる大波の尖端には相似形の夥しい微細な波が克明に描かれています。北斎は水が造り出す造形を、このように正確に見て描いたのです。

絵画、彫刻で有名なレオナルド・ダ・ヴィンチは、科学技術の分野でも活躍しました。彼は、流体学のため水の性質を研究し、水の流れをスケッチしています。これらのスケッチには、流れが造り出す波紋を克明に美しく描いています。巨匠の手になると科学も美術になります。

浮世絵では雨の降る様を線で表します。雨は水滴ですから点ですが、降るときは細長い線に見えるのです。雨を線で表す浮世絵を見て、西洋の画家たちは表現の斬新さに驚いたと言います。雨は点でもあり、線でもあります。見る者の視点を変えればどちらにも見えるのです。

量子力学の世界では光は波動であり粒子であり、ふたつの性質を持っていると言います。光が測定装置に到達する前は、光が波動なのか粒子なのか分からないのだそうです。測定装置によって、波にもなり粒にもなります。降る雨を見る人の目が測定装置ですから、二通りに見えても可笑しくありません。

写真機はいとも簡単に粒と波、即ち水滴と線を写し分けます。それはシャッタースピードを早くすれば水滴に、遅くすれば線になるからです。このことは写真を扱う人は誰でも知っていることです。シャッタースピードを変えて噴水を撮影した二枚の写真で、その様子をご覧下さい。
(以上)


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【2007/01/01 09:36】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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