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伐り瘤の怒り
               1樹木の切瘤-13D 1501qtc
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都会の中心部はどこも高層ビルが密集して林立しています。人呼んでこれをコンクリート・ジャングルと言います。このコンクリート・ジャングルに潤いを与えるために街路樹が植えられています。

しかし、道路に沿って樹木を植えた歴史は古いのです。それも都会の道路ではなく街道に沿って樹木が植えられました。東海道の松並木や日光街道の杉並木は有名です。

外国に目を向ければ、3000年前にインドのカルカッタからアフガニスタン国境に至る幹線道路に街路樹が植えられていたと言います。また2500年前の中国、周の時代は都の道路に壮大な街路樹が植られていたと言います。

これらの昔の並木はコンクリート・ジャングルに植えられた街路樹のような目的ではなく、通行人を守るためのものであり、防風、防砂、防熱という重要な役割を果たしたのでしょう。それだけに街路樹の並木は大木であり、枝葉も濃く茂っていたでしょう。

現代の日本の都市の街路樹は、昔のような実用面よりも、装飾的な役割が大きいのです。美しく涼しげであることが求められており、常緑樹なら枝の姿形が、落葉樹なら葉の色彩が選ばれて植えられています。

ところが、街路樹が大きく成長し、人間の日常生活に不便を与えることもあります。例えば、木の枝が電線に引っかかるから、信号機が隠されて見えなくなったから枝葉を伐って欲しいと言われます。また、落ち葉が道路を汚すから、落ち葉で道路が滑りやすくなるから街路樹を伐採して欲しいと言われます。

こうして、コンクリート・ジャングルに潤いを与えていた樹木の枝葉が伐られたり、根こそぎ伐採されることが起きています。街路樹を邪魔者扱いにする人は、その恩恵を忘れた人です。ですから、枝葉を伐られた樹木の姿形など、気にもしません。

町を歩いていると、街路樹が切り刻まれて哀れな姿になっているのを時々見かけます。枝葉が繁るのは邪魔だということなのでしょう、伸びた枝を枝元から毎年伐り落とされた木が、伐られた先端を拳固のように突き上げて並んでいました。無骨な瘤を空に突き上げた街路樹の行列は異様な光景です。

これらの瘤は伸びる思いを断たれた木の執念の固まりです。木は怒りの拳を振り上げているのです。
(以上)
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【2015/03/14 22:22】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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