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色公害の判断は難しい
                      1.山姿-13P 88q
                      写真1 奥多摩の秋
                      2.イタリア文化会館-03D 0704q
                      写真2 イタリア文化会館
                    3.八重洲口-04D 1211qr
                    写真3 東京駅前(八重洲口)
                    4.靖国通-04D 0611qt
                    写真4 新宿東口(靖国通り)

 「騒音」という言葉は聞きますが、「騒色」という言葉は聞き慣れない言葉です。この言葉は、色公害を論じた新聞記事で使われた新造語です。「騒音」がうるさい音ですから「騒色」とはうるさい色のことです。

「騒音」は他人を不愉快にさせる音です。周囲の音より極端に大きな音、神経をいらだたせる音などは、早くから法律で取締まりの対象になっています。空港周辺の航空機騒音防止法や工場の騒音規制法などで規制されています。

しかし、長い間、建物の色彩について色公害として規制する法律はありませんでした。街の景観を悪くする高い建物やそれに設置される広告塔などについては、具体的な基準を設けて規制している地方自治体はありましたが、色彩については基準を設けることが難しいので規制していませんでした。

その後、多くの地方自治体では建築物のデザインや色彩などを規制する動きが出てきて、その中で「騒色」も規制できるようになりました。しかし、色彩については感性が働く余地が大きく、具体的なケースで景観に有害か否かの判断を下すのは、現実にはなかなか難しいものです。

嘗て、東京都千代田区にあるイタリア文化会館の赤い外壁は、周囲との調和を欠くとの議論がありました。イタリア人の美観からするとセンスの良い色彩なのでしょうが、近所の人達からは周囲に馴染まないと言う苦情が多数寄せられたのです。

色彩感覚は風土と関係が深いようです。日本人は原色のどぎつさを好みません。それは日本の自然の色彩が多様な中間色で満ちていることと関係があります。日本人の色彩感覚は、何千年もの間、このように四季折々の自然の色彩で育まれたものです。着物の綾錦の柄は日本の自然風景から学んだものです。

例えば、外国の秋の野山は、赤一色、黄一色に染まり、澄んだ空気のなかに鮮烈な色彩美を誇りますが、日本の秋の野山は、赤と黄と緑と茶が入り交じり、多様なグラデーションで彩られます。その上、湿潤な空気に満ちた日本では、春は霞、秋は霧で自然は微妙で深みのある色合いになります。(写真1)

イタリア文化会館は、千鳥ヶ淵の裏側の、美術館や大学が並ぶ、緑の多い内堀通りに建っています。文教地区の静かな風景に文化会館の赤色は似つかわしくないと言うのですが、その色は真っ赤というのではなく、茶系統の落ち着いた赤色です。それでも周囲の景観に馴染まないと感じる日本人が多数居ることに「騒色」問題の難しさがあります。(写真2)

他方では、繁華街の建物の色や看板の色に対しては多くの日本人は無頓着です。繁華街の中心部を見回すとあらゆる色が無秩序に自己主張しています。この様(さま)をある建築家は万華鏡のようだと言い、建築評論家は無秩序の秩序と言って、「騒色」だと批判しないのは不思議なことです。(写真3、4)

明治以来、日本の都市景観は悪化の一途を辿ってきましたが、色公害も景観悪化の大きな要因です。その反省を全くしないで、渋い赤色のイタリア文化会館を「騒色」と騒ぐことは如何なものでしょうか。
(以上) 
 
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【2012/12/03 21:45】 | 風景 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
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コメント
探偵GODです
はじめまして探偵GODです。
いいですね!
【2012/12/07 13:59】 URL | 探偵GOD 橋本 #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
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