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現代美術の工芸的展開
1.蜃気楼-02D 1207q
写真1
2.蜃気楼-04D 1207q
写真2
3.構造-04D 1207q
写真3
4.構造-02D 1207q
写真4
美術品と云えば絵画と彫刻ですが、柳宗悦に会って民芸運動に入った河井寛次郎は、暮らしの中の「用」の美に魅せられて、実用の工芸品をも芸術としました。そして、美術品は美を追いかける世界だが、工芸品は美に追いかけられる世界だと云いました。

確かに家具や装飾品はあくまでも実用が前提になっていて、出来上がった作品が鑑賞に値するから芸術品として扱われるのです。河井寛次郎はそのことを「美に追いかけられる」と云ったのです。

現代芸術でも工芸的手法を駆使する分野があります。と言うよりも従来の二次元の絵画や三次元の彫刻では表現できない世界を、工芸的手法を用いて追求する芸術があります。ここでは、美に追いかけられているのではなく、あくまで美を追いかけています。

このような回りくどいことを云いましたのは、最近、東京六本木にある小さなギャラリー MoMo で、早川克己氏という新進気鋭の芸術家による、日本では珍しい工芸的芸術作品展を観て思いついたことです。

ギャラリー MoMo での作品展「PHASE Ⅲ -構造と形態- 」(2012.7.5~8.4)は、紙という素材を用いて、近代都市の高層ビル群を連想させる構造物を中空に漂うように展示していました。構造物は糸で吊されて、絶えず僅かに揺れています。それは恰も、世界に建設される大都市がいかにも頼りないものであるかを暗示しています。
(写真1、2は「蜃気楼」と題した作品を正面と斜め上から撮影したものです。)

展示場にある作品は、すべてに僅かな印字がある白い紙だけで制作された作品です。部屋の壁から離さて宙づりになった作品二点は、一部に水色と黄色の色彩が施されています。それらは無数の微細な立方体が横に繋がる空間であり、空虚な繰り返しに過ぎず、中身のないまま図体だけは巨大化していく、現代社会を批判しているようです。(写真3、4)

早川克己氏は若くしてアメリカに渡り、既にニューヨークとヒューストンで個展を開催するなど、国際的な活動をしております。今年9月にはオランダ、ハーグで開催される「ペーパーワークスビエンナーレ2012」への参加が決まっています。

ギャラリー MoMo に展示されていた、これらの作品(写真)も、そこに出展されるとのことでした。
(以上)
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【2012/08/07 16:04】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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