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都市空間の造形 横浜みなと未来のケース
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都市空間を体系的に整備する試みとしては、かつて19世紀にオスマンにより断行されたパリ大改造計画が有名です。

このパリ大改造は、複雑で非衛生的となった街を、近代的で快適な都市に造り替えることが目的でしたが、そのために造った放射線状に伸びる幅広い街路と、それに面して立ち並ぶ建物の高さを統一したことで、そのパリの都市空間に画期的な美しさを与えました。

しかし、パリのように人工的に改造した都市に限らず、西洋の主要都市は、自然発生的に誕生した都市でも市庁舎や教会を中心にして都市が建設され、その建物の形態と色彩は統一されていて、美しい都市空間を形成しているケースが多いです。

そのような伝統的な西欧の都市の内部にも、最近は逐次高層ビルが建つようになり、都市の立体的空間の程よいバランス、即ち秩序感が失われつつあります。これは業務機能が増大する都市に顕著に現れます。よく言えばダイナミックに、悪く言えば無秩序に都市は発展しているのです。

特に日本の大都市、東京や大阪では、経済性や利便性が優先されて、狭い土地を目いっぱい利用するので、林立する都市ビルが構成する都市空間は無秩序そのものになります。もともと日本には都市空間を美的に整備するという意識が少ないのですから、これも仕方がないことです。

ところが例外があります。横浜みなと未来地区の都市開発は、都市の立体的空間を造形しようとする、濃厚な意識のもとに実現した、日本では珍しいケースです。

横浜みなと未来地区は、開発前は三菱重工横浜造船所と国鉄高島線の操車場などのあったところで、広大な用地が一括開発できるという幸運にも恵まれましたが、それだけでなく「21世紀にふさわしい未来型都市」という基本構想のもと、電力・通信の地下埋設、上下水道の共同化、建物の色彩の調和などを図り、新しい統一した都市空間を実現しようと努力したからです。

それは建設されたビル群の形態と構成に顕著に現れています。海上から横浜みなと未来地区の都市景観を一望すると、高層ビル群が形成するスカイラインが統一したコンセプトで形成されていることに気づきます。

横浜ランドマークタワーを帆船の帆柱に見立てれば、インタコンチネンタル・ホテルは船の帆になり、両者の間にある三つの高層ビルは波頭を表しています。(写真)

横浜は港町であり、何よりも海の息吹で生まれ育った都市です。個々の建築物でその都市を表現するケースは海外にも良くありますが、街全体のスカイラインを海のイメージで統一して描いた都市造りは、世界のどこにもありません。

パリの大改造は、光と風を市の中心部に導入することで、世界の「花の都パリ」を誕生させたと言われます。横浜の大改造は、海の潮風を街中に呼び込んで、世界の「港町ヨコハマ」にリニューアルしたと思います。
(以上) 
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【2012/01/23 16:21】 | 芸術 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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