FC2ブログ
柿は見て良し食べて良し
                    1.干し柿-03P 97rc
                    写真1
                       2.柿の木-04P 97tc
                       写真2
                    3.柿-07P 89tc
                    写真3
日本の秋は果物の季節です。秋の代表的な果物には梨、葡萄、柿、林檎があります。これらの果物は、陽が照る時間が次第に短くなり気温が徐々に低下する秋の頃になると、甘みを増していきます。

果物は夫々舌触りや歯ごたえが異なりますが、主たる特徴は味の違いにあります。梨の淡泊でさわやかな味、葡萄の果汁溢れる果肉、柿の濃厚で深みのある甘み、林檎の酸味と甘味が程よく混ざった味、これらが人々の味覚に訴えるので、人々はその味覚で果物を記憶します。

中でも日本の柿の濃厚な甘みは独特なものであり、私たちは柿と言うと直ぐに甘い物と考えます。古来「甘い」ものは「旨い」ものと同義でしたから、砂糖など存在しなかった時代には柿は大いに珍重されました。近年は外国人の間でも日本の柿は大いに人気がある果物だそうです。

柿は中国から伝わったと言う人もいますが、縄文時代には既に日本にあったとも言われていて、近世に日本からヨーロパに伝わったこともあって、世界では柿は日本原産と扱われています。ですから、英語では柿のことを a Japanese persimmon と言い、また日本語がそのまま使われて kaki とも言います。

もともと存在していた柿の種類は渋柿だけでしたが、ある時、突然変異して甘柿が生まれたと言われます。ですから昔は、柿は渋抜きしなければ食べられなかったので、柿を干して食べる方法は相当昔から知られていたと思われます。では、甘柿を干せば尚甘くなるかと言えば、そうはならないのです。柿の甘さは甘柿より渋柿の方が強いので、干柿は渋柿に限るそうです。

また、干柿は酸っぱい果物だけが持つビタミンCを豊富に含んでいますから、風邪を引いたときに食べると良いそうです。渋柿は乾燥させると、渋みのもとのタンニンが固まり食べても渋くなくなりますが、同時に水分を失うので果肉は堅くなります。そこで硫黄で燻蒸すると干し柿にしても柔らさを保ちます。これが「あんぽ柿」です。ジューシーな干柿として人気があります。

秋の農村を訪れると、あちこちの農家の軒下に皮を剥いた柿が、縄にくくられて沢山吊してあります。干柿は、晩秋の乾いた空気に曝さらされて、日一日と甘さを増していきます。一列に並んだ赤い干柿が、陽の光で障子戸に影を映している風景は、この時期の農村風景の一齣です。
(写真1)

見て美しいのは軒の下に吊された干柿だけではありません。収穫される前の渋柿が、広がる枝いっぱいに成り下がる光景も見事です。柿の木は葉が落ちても実だけが残る珍しい木です。桜の木が葉の生える前に咲いて花の美しさを誇るように、柿の木は葉の落ちた後に実だけ残して実の美しさを誇ります。(写真2)

その沢山の柿の実に夕日が当ると、赤い柿の実は朱色に変わります。有田焼の柿右衛門は、この朱色を見て有名な柿右衛門様式を焼上げたのでしょう。(写真3)
(以上)
スポンサーサイト



【2011/11/07 18:34】 | 風景 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
<<雲は巧まざる造形家 | ホーム | 晩秋のツワブキ>>
コメント
柿の実の色は美しい
ijinさん、感想を寄せられ有り難うございます。
柿の実は初冬の被写体として最も印象的なものの一つです。
ひと頃、柿の実を求めて東京近郊(奥多摩、多摩丘陵など)を歩き回りました。
夕日を受けた柿の実の色は朱色に変わり、ぞくぞくする程美しいものです。
陶工柿右衛門もこのような色に魅せられたのだろうと思いながらシャッターを切りました。
【2011/12/10 09:01】 URL | wakowphoto #-[ 編集] | page top↑
柿のお話。
大変面白く拝見しました。
知識が増え、自分の考えが認められたようにも思えて、嬉しくもありました。
【2011/12/08 12:58】 URL | ijin #7ozVZe.w[ 編集] | page top↑
柿は萌黄色の若葉もきれいですね。
【2011/11/08 02:40】 URL | andante #bhhZubZs[ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://wakowphoto.blog61.fc2.com/tb.php/468-85e66e01
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |