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モンドリアンの抽象画と菜の花畑
                   3.ドイツ上空:往路-08D 1105qr
                   写真1 菜の花を栽培するドイツの農村
                   4.ドイツ上空:往路-07D 1105qtc
                   写真2 菜の花を栽培するドイツの農村              
                      1.モンセラー-03Pt
                       写真3 モンセラーの岩山
                      2.サクラダファミリア-01D 0610qc
                       写真4 サグラダ・ファミリア
ピエト・モンドリアンは、ワシリー・カンディンスキーと共に草創期の抽象画家として有名ですが、二人は他の画家達とは違う極めてユニークな作品を描きました。二人の画家には「コンポジション」という同じ名前を付けた作品もありますが、同じ抽象画家でも二人の作品はまた余りにも異なっています。

カンディンスキーはロシアに生まれ、ドイツで絵画を学び、外界の印象ではなく、画家の内面感情を表現する表現主義を唱え、絵画に音楽的な表現を試みた画家です。他方、モンドリアンはオランダに生まれ、フランスでキュビズムを学び、キュビズムの先にある純粋造形を目指した画家です。

両者は同じく抽象画家と言われていますが、その作風は余りに対蹠的なので、人はカンディンスキーを熱い抽象画家、モンドリアンを冷たい抽象画家と言いました。カンデインスキーの抽象画は、曲線を多用してダイナミックな構図に豊かな色彩のグラデーションを駆使して「動的」ですが、モンドリアンの抽象画は、直線を多用し色彩も三原色に限定し、平面的に描くので「静的」です。

初夏の頃、ヨーロパ内陸部の上空を飛行機で飛ぶと、眼下に菜の花畑が散在しているのを見ることが出来ます。それは大地に黄色い四角形や長方形の布がパッチワークのように張り付けたかのような風景です。これを見たとき、モンドリアンの絵画「灰色の輪郭をもつ色面のコンポジション」「グレイとライト・ブラウンのコンポジション」を思い出しました。(写真1、2)

若い頃モンドリアンは具象画を描いていましたし、カンディンスキーもデッサンは具象のスケッチから始めていたと言われています。ですから、抽象画家と雖も、現実の具体的な風景や事物から抽象へのインスピレーションを得ていると思います。

また、人工的な造形を目指す建築の世界でも、構想の段階で具象から基本形を抽象すると言います。サグラダ・ファミリア教会を設計したアントニ・ガウディは、その原型をバルセロナ郊外のモンセラーにある岩山に見たと言われます。円錐形の塔を何本も纏めた教会の構造は、石柱を重ね合わせたようなモンセラーの自然の岩山に似ています。(写真3、4)

ヨーロッパで菜の花の栽培が盛んになったのは、オイルショクのあと菜種油を増産するためですから、モンドリアンはこのような菜の花畑の風景は見ていないでしょう。しかし彼の生国オランダは国土の大半を干拓で造成した国ですから、果てしなく続く水平の大地は、モンドリアンの幼い時から見慣れた風景でした。その原風景を基にモンドリアンが、あの独特の抽象画を産み出したと考えても間違いではないでしょう。
(以上)
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【2011/10/22 10:48】 | 芸術 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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