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教会建築は進化する
                    東京カテドラル大聖堂-03D 1002q
                       東京カテドラル大聖堂-05D 1002qr
                    東京カテドラル大聖堂-09D 1002q

王宮や城塞は世俗の権力を誇示するために建設しますが、神社、寺院、教会、モスクなどの宗教建築は信仰の権威を示威するために建設されます。

宗教建築は、宗教権威を高めるためのものであると同時に、そこは信者たちの祈りの場所でもありましたから、その資金は熱烈な信者たちの寄付によって集められました。

宗教建築には、夫々の宗教の思想と共に夫々の民族の美意識が反映されています。そして夫々の宗教建築には固有の様式が受け継がれていおり、一旦生まれた様式は長い間維持されています。

しかし、キリスト教の教会建築だけは、他の宗教建築と違って新しい建築様式を柔軟に取り入れているようです。と言いますのは、これまでは教会建築の主流は中世に確立したゴシック様式でしたが、近世になってその伝統に囚われない斬新な様式の教会が、世界のあちこちで建設されているからです。

アール・ヌーヴォーの建築家、ガウディが設計したサグラダ・ファミリア聖堂(バルセロナで19世紀末に着工し、現在も建設中)は、規模の大きさと、構想の斬新さで世界中の人々の注目を浴びました。

モダニズムの建築家、ル・コルビュジエが設計したロンシャンの礼拝堂は、貝殻のようなうねりのある屋根が特徴的で、空に聳える従来のキリスト教的な建造物とは全く異なっています。

既成の教会建築の様式から大きく踏み出した、美意識溢れる教会建築は、日本でも近年見ることが出来ます。

大阪府茨木市の「光の教会」は安藤忠雄が設計したものですが、彼が得意とするコンクリート打放し方式が初めて採用されて、コンクリートの壁に空けられた十字架の割れ目から外光を取り入れる幾何学的なデザインがユニークです。

西洋の教会建築では、室内の照明は色彩豊かなステンドグラスで彩られますが、「光の教会」の照明が太陽の自然光というのも、日本的な簡素さでユニークです。

もう一つの斬新的な教会建築として、丹下健三が設計した東京カテドラル聖マリア大聖堂があります。建物全体をステンレス・スティールで覆った姿は、一見すると教会と言うよりもモダンアートの作品のようです。

建造物を真上から俯瞰すると十字架の形となっていますが、横から眺めるとゴティック建築風の直線美ではなく、湾曲した局面が構成する建物の稜線は、見る角度によりダイナミックに交差して、芸術作品を見るかのようです。

世界の宗教建築の中で、キリスト教の教会だけが伝統様式を大胆に変化させる理由は、エネルギッシュな宗教活動の外的表現なのかも知れませんが、信者でない人々にとっても、パブリックアートとして観賞できる教会建築の出現は有り難いことです。

上の三つの写真は、東京カテドラル聖マリア大聖堂を色々な角度から見たものです。下の写真は夕日を浴びて金色に輝くきらびやかな聖マリア大聖堂です。
(以上)
 

                    東京カテドラル大聖堂-01D 0710qt
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【2011/07/21 21:41】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
ijin さん、私も東京カテドラル聖マリア大聖堂を見て感動しました。
この教会は目白の椿山荘の向かいにあります。
代々木競技場の体育館(東京オリンピックの会場でした)は丹下健三の設計によるものですが、どこか両者は似ています。
【2011/07/24 08:30】 URL | wakowphoto #-[ 編集] | page top↑
建築の変化
建築物。
私が日常生活で見る建築物で、目を見張るのは、商業ビルやオフィスビルですが、
丸の内や新宿は高層ビルで、街の姿を大きく変えています。

教会は昔ながらの姿が残っていると思っていましたが、此処で紹介されてる、
東京カテドラル聖マリア大聖堂や聖マリア大聖堂は思いがけない形式で驚いています。

新たな建造物をこの目で見たいものです。
【2011/07/23 21:58】 URL | ijin #7ozVZe.w[ 編集] | page top↑
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