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生け花の造形美

生け花は、今や日本の伝統的芸術として国際的に認められていますが、もともとは日常生活のなかで、四季の花々を楽しむ行為でした。

花を家に飾る行為は、自然に先祖に供える行為になり、「供華」は仏教の儀式となりました。生け花が美的表現の対象として意識的に取り上げられるのは、室町時代の「立花(たてばな)」の様式が生まれたときです。

今も有名な生け花の家元の先祖である池坊(いけのぼう)は、その名の通り寺の住職であり、佛に花を供える僧でした。その子孫が16世紀に立花の理論と技術を集大成し、室町時代の古典立華(たてばな)が確立したのです。

同じ頃、千利休たち茶人によって簡素な「投げ入れ花」がもてはやされ、定型化した立華様式に対抗する動きも出てきました。

江戸時代中期に、生け花の理念や様式をそれぞれ主張する流派が生まれ、今日の池坊流派の源流が出来上がります。

その後も、明治時代には剣山(けんざん)で花を固定して盛り上げる「盛り花」様式が生まれ、現代ではオブジェを混ぜた生け花が現れました。

長い歴史のある生け花の世界には、流派と共に、色々な様式があります。生花(しょうか)、立花(りっか)、自由花(じゆうか)、盛花(もりばな)、投入(なげいれ)などです。

生け花では、花と心の対話を大事にします。それは花を活ける人、また活けた花を見る人、いずれの場合も人々の精神性が大切だと云います。流派は異なっても精神性を重視することで変わりはなく、様式や花器などは二次的な問題だと思います。

かつて、庭園植物記展という展覧会で、写真家の土門拳、石元泰博、篠山紀信が勅使河原蒼風の生け花を撮った写真をみた時、伝統ある生け花には、確かな造形美があることを知りました。生け花は、彫刻、絵画、写真のように永久的に保存できないが故に、その造形美に一種の切なさがあります。

造形美の切なさを和らぐためにも、庭の片隅に地植えした生け花でも、生け花に仲間入りさせて下さい。欧米では庭にハーブ園などを造ります。写真は、カナダで見たある家庭のハーブ園だと思いますが、これも新しい生け花だと思います。
(以上)


カナダ・ワイナリー-01Pqct


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【2006/08/13 10:21】 | 芸術 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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