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訪日外国人が見る日本の色調
     1.湯河原-16D 0804q
     写真1
                      2.新宿南口-37D 1012qtc
                      写真2
                                3.靖国通-09D 03qtc
                                写真3

日本で生まれて日本の色を見て育った私たちは、日本の山野や街の色調は当たり前のもので、変だとか不自然だと思ったことはありません。しかし、初めて海外から日本を訪問した外国人は、目に入る日本の風景や街の色調は、自国のそれとは大分違って見えるそうです。

どのように違って見えるかと言うと、日本の自然の色彩は多様であり、かつ、余りに鮮やかであると驚くそうです。なるほど、四季の変化がなだらかなので、日本は自然の色彩に恵まれています。(写真1)

他方、街中を歩く日本人の衣装は、それとは逆にみな似ていて単調であり、色彩感に乏しく見えるそうです。

外国人ではありませんが、長く外国に滞在して帰国したばかりの日本人も、日本の色調について外国人と同じような感想を述べた人がいました。

それは作家の永井荷風です。時代は少し古く明治の終わり頃の話ですが、6年間ほど外国に滞在して帰国した永井荷風は、その時の印象を「帰郷雑感」で次のように述べています。

「(長崎に着いたとき)日本の海岸は、小さな部分的の処に、山もある、林もある、瀑もある、余りに変化に富んで居る為めに、自然らしい感想が浮ばぬ。山や林の緑深い事は、真実とは思へぬ程である。日本の緑色は、同じ植物の緑色でも西洋のそれとは全く異り、毒々しい程濃い事が著しく自分の眼についた。」と。

他方、生活の中の色彩については、次のように述べています。
「日本の生活には万事に視覚を刺激する色彩がない。住居する家の中、室の中に這入っても、天井、壁、障子、襖、畳、と其れぞれの物が、各自勝手の汚れた色をして居て、色彩の一致や調和がないから何の家、何の室へ行つても、居心がすこし落ち着かぬ」と。

日本の自然が西欧に比べて色彩に富むのは、日本は緯度が低く湿度が高いためですから分かりますが、衣装や身の回り品、調度品などが単調であるというのは、日本人自身の色彩感覚に西欧人と何処か違うところがあるのでしょう。

色彩を選択するとき、西洋人はその選択が他人の目にどう映るかに気を使いますが、日本人は自分の色彩への好みで決める傾向が強いのだそうです。色彩の選択においては、個性的と言われる西洋人が周囲との調和を重んずるのに、調和型である筈の日本人が自己主張するというのです。

考えて見れば選ばれた色彩は周囲の色彩との相関関係で眺められます。街路を歩く人々の衣装は、街路の色彩によって目立ちもすれば、目立たなくもなります。また、屋内に入れば衣装は室内の色調に合ったものが良いでしょう。脱ぎ着できるオーバーコートの色は、室内外の色彩の相性を調整をすることも出来ます。

今の若い世代の色彩感覚は格段に進歩していて、明治時代の荷風の批判は当たらないと思いますが、安心は出来ません。と言いますのも街路のビルなどを見回すと、街中に周囲の建造物の色に無頓着なものがあり、目立ちたがり屋の酷い色彩のビルが出現しても苦情を呈して是正させた話は聞きません。
(写真2、3)

まだまだ日本人は生活の中での色彩感覚には鈍感なのでしょう。
(以上)
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【2011/01/23 11:47】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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