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パブリック・アート化する都市ビル その二
          1.日生劇場-01D 05q
          写真1 日生劇場ビル
                         2.中央郵便局01N 06r
                         写真2 東京中央郵便局ビル

前回の写真でご紹介したパブリック・アート化した三つのビルは、全て日本人建築家による設計です。三つのうち、De BeersビルとTOD'Sビルは施主は外国資本ですから、日本人建築家は国際的に高く評価されていると言うことです。

しかし、個々のビルが芸術的に優れていて、その周辺の街路の雰囲気を盛り上げる力があっても、その周囲の街の美的環境が劣悪では、掃き溜めに鶴ということにもなりかねません。優れた建築物は、隣接する建築物との相関関係で活きてくるのです。

例えば、日生劇場のビルは外観はかなり装飾的なビルです。建設当時は隣の帝国ホテルはフランク・ロイド・ライトの設計になる旧館だったそうで、日生劇場の設計者はその旧館を意識したと、ある建築家から聞きました。
(写真1)

また、東京駅前にある東京中央郵便局は、高層化するため解体しようとしたら、当時の鳩山邦夫総務大臣から重要文化財として保存せよとクレームをつけられました。確かにブルーノ・タウト設計になるモダニズム建築の傑作と言われた建築物ですが、この建物の丸みのある外観は、既に解体された二つの旧丸ビルの丸みのあった外観と対応していたのです。(写真2)

日生劇場ビルも東京中央郵便局ビルも単独で市街地空間を形成しているわけではなく、隣接ビルと相い呼応して市街地の美的空間を形づくっていたのです。都市ビルのパブリック・アート化を志向するなら、そこまで行かなければ本物とは云えないでしょう。

と言うのは、パブリック・アートは、個別のビルのデザインを問うのではなく、もともと街区の品格や風格を醸成するために工夫されて始まったものだからです。

しかし、これは本当に難しい問題です。そう言う目で改めてここ十数年間に急速に起ち上がっている東京の超高層ビル群を眺めると、失望することの方が多いのです。

東京駅周辺、品川駅東側、汐留操車場跡地に超高層ビル群が起ち上がるとき、本当は全体の都市空間の景観を予め検討する組織があったらよかったのです。或いは、地権者や開発当事者が、夫々に良識を以て総合的な景観をよくするため、相互に調整する自発的行動を取れば良かったのです。
(以上)
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【2010/09/04 12:34】 | 芸術 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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