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感性とデザイン

以前、「アートの世界は論理では動かず、感性で動きます。デザインの核心には感性がありますから、デザイナーはアーティストでなければならないのです」と書きました。(「デザインはアートです」06.05.29参照)

いかし、現実に商品をデザインするとき、利便性が優先されます。それに安全さが求められます。その上で美しさや格好良さが追求されます。

利便性や安全性は論理的発想だけで十分達成できますが、美しさや格好良さはアーティストの感性なしには実現できません。

もの作りでは論理性と感性が共に必要ですが、どうしても感性の働きは低く見られがちでした。これからのデザインの世界では、むしろ感性が主役になりたい位です。

ドナルド・ノーマン氏は、その著書「エモーショナル・デザイン」で云います。
「デザインでは実用面より情動面が重要である。デザインは愛、愛着、幸福など、強いポジティブな情動を引き起こす」と。

更に云います。
「芸術性、魅力、美しさの重要性にも注目しなければならない。使い易いデザインでも、魅力的な形でなければ楽しくなくなり、使いにくくなる」と。

ここで私達は、デザインの根本問題に行き着くのです。

デザインの発展の歴史は、利便性と美観との調和を図るものでした。美的センスだけを求めては、不便なものとして利用者に見捨てられます、さりとて便利さだけでも直ぐに厭きられ、嫌われ、不便になるというのです。

モダン・アートでは論理が優先しましたが、論理でデザインを追求していけば便利さと安全性は得られるでしょうが、やがて限界に達すると、ノーマン氏は指摘したのです。

氏は「エモーショナル・デザイン」で、利用者の感性を見抜き、その感性に合ったデザインを考案することを推奨しました。

人々の感性の発見とそれを満たす様式の実現には難しいものがありますが、そこには限りないデザインの世界が広がります。
(以上)


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【2006/07/07 11:53】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
専門家からのご指摘参考になります。
「自分に合う」とはデザイナーの感性に合うということだと思います。
感性工学という分野があり、そこでは消費者の感性を把握して商品の生産過程で取り入れる研究をしていると聞きましたが、消費者の感性は、デザイナーの感性によってしか把握できないので、「自分に合う」という基準は、誠に尤もだと思います。

【2006/07/11 22:52】 URL | wakowphoto #-[ 編集] | page top↑
うーむ
これもまた考えさせられます。日本時代の会社では商品のブランド力を測る独特の指標がありましたが、その中でも「自分に合う」というキーワードがブランド力の強さと相関が高い傾向があるのです。このエモーショナルデザインのコンセプトをそれが科学的に証明しているのかな、と。
【2006/07/11 12:04】 URL | CareerGirl #-[ 編集] | page top↑
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