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調和がデザインを生む

「芸術は爆発だ」と岡本太郎氏は云いました。調和は馴れ合いであり、芸術には有害無用だとも云いました。

確かに、芸術には燃えるような情念が必要です。一方、デザインには感性が不可欠ですが、その感性は情念と繋がっています。その意味で、デザインにも情念が必要なのです。

しかし、調和は馴れ合いであると云われると、そこまでは受け入れられません。いや、むしろデザインは調和の産物なのです。実用性と美観との調和の産物です。

デザインの発展の歴史は、使いやすさと美しさを、如何にして一つの作品に調和してまとめるかの歴史でありました。

工業デザイナーとして高名な川崎和男氏(名古屋市立大学教授)は云っています。
デザインの特性は、部分の機能や性能から考えるのではなく、全体の形から考えるところにあると。
例えば、人工心臓を考案するとき、医学者は肉体の個々の部品の機能の研究から入るが、デザイナーは全体として人体に合うデバイスの望ましいモデルをイメージすることから入ると。

科学技術者のアプローチは、機能的条件を満たしてから、後で形態を整えようとします。機能の充足が優先されるから、形態は機能により強く規制されます。

デザイナーのアプローチは、先ず形態で考えます。その形態に埋め込まれる機能については、後から工学的に考案しようとします。従って形態のイメージが、それに合った技術開発を促進することになります。

人工心臓であれ、電気製品であれ、新しいものを創造する仕事は、現実には両方のアプローチで遂行されています。実用性と美観を調和させるデザインの創造は、対象物の構造が複雑になるだけ難しくなっています。

デザイン創作で発揮される調和は、馴れ合いではなく、二つのアプローチの激しい衝突の産物なのです。
(以上)


                    大阪万博-03P S45tc

          大阪万博のランドマークになった岡本太郎氏の作品「太陽の塔」です。
          縄文時代の情念を表現したと云われます。

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【2006/07/04 09:02】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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