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写真の物理的耐久性
絶えず変化するのが世界の本質として捉えたギリシャの哲人は「万物は流転する」と云いました。大げさな言い方ですが、写真も写された時点から変質し、劣化していきます。

評論家スーザン・ソンタグがその写真論で「全ての写真は、時間の容赦無い溶解を証言している」と述べたのは写真の内容についてですが、ここでは写真の物理的耐久性について述べてみます。

カラー写真のフィルムは現像されたときから、その色彩は色褪せが始まります。保存方法にもよりますが、撮りたての鮮やかさは時間の経過と共に間違いなく失せていきます。

昭和30年代に撮影した国産のポジフィルムは、30年後には無惨にもただれたような斑点が広がり、同じくネガフィルムはセピア色に近づきました。モノクロのフィルムはそれ程ではありませんが、それでも僅かに濃淡の差が弱まりました。

現像したフィルムの色褪せと同じく、焼き付けた写真も色褪せます。その変化はフィルムよりも激しいものがあります。モノクロ写真は古くなるとセピア色になるので、それなりの雰囲気が出て、それでも良いのですが、カラ-プリントの色褪せた写真は惨めです。

時の流れは同じものを残さないのですから、これもやむを得ません。でも、最近流行のデジタル写真の物理的耐久性は銀塩カメラの写真より高いようです。プリントされた写真は銀塩もデジタルも変わりはないですが、メモリーチップ内の映像は電子的に保存されるのでフィルムの保存より永続しそうです。

デジタル写真は始まったばかりで、永久に変質、劣化しないかどうかは未だ分かりません。ギリシャの哲人に言わせれば、電子も万物の仲間ですから、将来色褪せる日が来るかも知れません。果たして電子的劣化という現象はあるのでしょうか?
(以上)
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【2008/11/16 11:15】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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