FC2ブログ
水藻は優れた抽象画家
梅雨の季節は木々の葉が生い茂るときです。水生植物が水面に繁殖するのも梅雨時です。最近、暫く見ていなかったお濠の水面が、蓮の葉で覆われていたのを発見して驚きました。
(写真1)
1.皇居の濠端:牛ヶ淵-07D 1506q
写真1

水面に浮く藻類も、梅雨の季節に繁茂します。いつの間にか水面の色が緑色に変わっていて驚かされることがありますが、これは水藻の一種が繁殖したアオコ(青粉)です。(写真2)
2.水藻-03D 1306q
写真2

生活用水や化学肥料が流れ込んで水中の栄養素が過剰になるとアオコが発生することがあります。アオコの膜が水面に広がりますと、水中に入る太陽光を遮蔽しますし、水中に溶ける酸素を遮断しますから、水中の植物や魚類に害を与えるので嫌われます。

しかし、アオコを含めて水藻の浮く水面は変化があって眺めていて飽きません。嘗てこのブログで水藻のアートをコーヒーカップのラテ・アートに喩えました。(2014.09.08 水藻のアート)

その時は上野の蓮池の水藻でしたが、今度は皇居の濠端の水藻です。濠が違うと水質が違い水温も違います。その違いに応じて、繁茂する水藻は種類が違い、生育の仕方が違い、色合いも違います。(写真3、4)
3.皇居の濠端:凱旋濠-05D 1506q
写真3
4.皇居の濠端:二重橋濠-05D 1306q
写真4

そして、水藻は動いていないようですが、風の力や僅かな水の流れで位置を変えています。その動きの軌跡が繪になるときがあります。
(写真5、6)
5.水藻-01D 0908q
写真5
6.水藻-02D 0908q
写真6

濠を眺める視点を低くすると、水面の水藻は刷毛で掃いたように繊細な模様に変わり輝きを増します。(写真7、8)
7.皇居の濠端:二重橋濠-10D 1306q
写真7
8.皇居の濠端:二重橋濠-12D 1306q
写真8

視点をやや高くすると、水中まで透けて見えるので、水藻は立体的なります。水中の水藻は動物のように泳ぐが如く体をくねらせています。
(写真9、10)
9.皇居の濠端:凱旋濠-06D 1506q
写真9
10.皇居の濠端:凱旋濠-10D 1506q
写真10

水藻の水面を真上から見ると、事物が静止した複雑な模様の抽象絵画を見るような気持ちになります。(写真11、12)
11.水藻-08D 1306q
写真11
12.水藻-09D 1306qt
写真12
水藻は優れた抽象画家です。その出来映えに見とれていると、いつの間にか細長いお濠を端から端まで歩いていました。
(以上)
続きを読む
スポンサーサイト



【2015/06/19 12:35】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
青函連絡船のスクリューの摩耗
1.青函連絡船のスクリュー:部分-27D 1501qt
写真1
2.青函連絡船のスクリュー:部分-21D 1501qt
写真2
3.青函連絡船のスクリュー:部分-13D 1501qt
写真3
4.青函連絡船のスクリュー:部分-08D 1501q
写真4
5.青函連絡船のスクリュー:部分-11D 1501qt
写真5

ギリシャの哲人ヘラクレイトスは万物は流転すると言いましたが、この世の中でじっとしていて変わらないものはありません。堅い金属でも、空気に触れれば腐りますし、使えば減ります。その結果、金属の表面に現れる模様は色々に変化しますが、自然が造った金属面の紋様には、人工的でない不思議な魅力があります。

一般に腐蝕は物質を醜くしますが、摩耗は磨くので物質を美しくします。家具や宝石は綺麗にするため磨きますが、意図しない摩耗でも磨く作業は同じですから、思わぬ美しさを産みます。

お台場の船の科学館の桟橋に、青函連絡船洋蹄丸のスクリューが展示されています。津軽海峡を往復した船のスクリューは、長い間、海水と激しく戦ってきました。スクリューは堅い金属であり、海水は流体ですから、スクリューは滝が岩を削るように海水で侵食されたのです。

金属の摩耗には、その仕方により、凝着摩耗、切削摩耗、腐蝕摩耗、疲労摩耗の四種類があるそうです。洋蹄丸のスクリューの、どの部分がどの摩耗に相当するのか分かりませんが、色々な摩耗の結果、色々な表情をしています。

写真1では、海水の摩擦で研がれた金属の表面は波模様になっています。波浪の足跡を見るようです。
写真2では、海流は時には激しくスクリューに噛みつき、はっきりした小さな曲線の紋様を刻みます。
写真3では、海水は、あるところへは強く、あるところへは弱く、スクリューの表面に不規則に当たります。描かれる紋様にアクセントがつきます。
写真4と5では、静かな湾に停泊しているときは波の圧力は休みます。すると、スクリューの表面は腐蝕とか疲労を起こすのです。
(以上)
【2015/06/03 12:40】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
| ホーム |