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宵闇迫りて
1.松本~上田:夕景-06D 1410q
写真1
2.松本~上田:夕景-05D 1410q
写真2
3.松本~上田:夕景-02D 1410q
写真3
4.松本~上田:夕景-03D 1410q
写真4
5.松本~上田:姥捨駐車場より-01D 1410q
写真5
6.松本~上田:姥捨駐車場より-02D 1410q
写真6

中秋の名月を過ぎてからの宵の暗さを宵闇と云いますが、晩秋の宵闇はあっという間に辺りを覆います。

宵闇は、瞬く間に形あるもの全てを暗闇に取り込んで見えない世界と化します。そして残るのは心の中の風景です。外界が朦朧となると、心の中は鮮明になります。

宵闇せまれば 悩みは果てなし 
乱るる心に 映るは誰が影
君恋し くちびるあせねど 
涙はあふれて 今宵も更けゆく

これは、時雨音羽作詞、佐々紅華作曲の歌謡曲「君恋し」の冒頭の一節ですが、戦前の昭和初期にヒットし、戦後もフランク永井が歌ってヒットしました。日本人は心の奥底が見える宵闇が好きです。

晩秋の夕暮れ時、太陽は既に山の端に落ちて、山裾の人家も広がる田畑も輪郭が判然としなくなる頃、信州の山あいを高速バスは疾走します。

と、高速バスの車窓を黒い影が次から次へと飛び去ります。空中に舞う黒い影は、人家や田畑にまつわりついて、窓外の風景は朦朧となります。(写真1、2、3、4)

ああ、これが宵闇の正体だと知ったとき、高速バスは長野自動車道の姨捨サービスエリアに到着しました。高台にあるサービスエリアからは善光寺平の素晴らしい夜景が見えました。(写真5、6)
(以上)
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【2014/12/21 21:21】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
美しい森林の豊かな国 日本
1.丹那盆地-04D 0905q
写真1 静岡県丹那盆地
2.上高地:東側山岳-05D 1410q
写真2 長野県上高地
3.新緑の丘-01D 05
写真3 静岡県熱海
4.立山ロープウェイ-27D 1410q
写真4 富山県立山
5.立山ロープウェイ-28D 1410q
写真5 富山県立山
6.袋田渓谷-05D 1311q
写真6 茨城県袋田
7.袋田渓谷-14D 1311qt
写真7 茨城県袋田

島国の日本は大陸に比べて国土が狭く、その狭い国土は山岳地帯が多くて平野が少ないと嘆く人がいますが、山の多い島国の日本には他国から羨ましがられる利点、いや美点が沢山あるのです。

山岳列島の日本では高山帯より低い山岳は殆ど緑の森で覆われています。このように山奥深く森林が生い茂るのは降雨量が多いからです。降雨量が多いのは海で囲まれているからですが、それに加えて山が高いからです。海から運ばれる湿った空気が山に当たって上昇し、雨を降らせるからです。

古代文明は森の消滅と共に滅びました。森を破壊し続けている現代文明も、やがて森を失えば滅びることは必定です。中国内陸部は雨が少ないだけでなく、植林の伝統がないので、森林は殆ど消滅してしまいました。日本と同じ北半球に位置する欧州でも森の破壊は進んでいて、それを食い止める手当で大わらわだと言います。

地方を旅して山々が緑の森で覆われているのを見て日本人は当たり前と思っていますが、中国人や西洋人は日本の緑溢れる山々を珍しと思い、美しいと感じるそうです。

文化人類学者として世界的に有名なレヴィ=ストロース氏と対談した川田順造氏は、その著書「江戸=東京の下町から」で次のように書いています。

「いまでも日本の国土の七〇パーセントは森林です。そのすべてが未開発というのは語弊があるかもしれませんが、少なくとも半分は天然林と言われています。しかも、国土の七五パーセントは山地が占めています。この七割という数値に、なにか意味があるのではないかと、レヴィ=ストロースは気が付いているわけです。」

川田順造氏との対談で、レヴィ=ストロース氏は、西洋文明と日本文明を比較して、日本人の自然への愛や尊敬の念が日本の山に多くの天然林を残させていると示唆しています。言い換えれば、日本人の自然観、宗教観が国土の七〇パーセントの森林を維持しているというのです。

これには別の解釈もあります。日本全土が森林で覆われていた縄文時代は、森林は人々に食料を与える恵みの場でした。森林に棲む小動物と森林に成る木の実は、縄文人の貴重な食料でしたから、森林を破壊することはありませんでした。

稲作が普及した弥生時代になっても日本人は肉食をしませんでしたから、西洋のような牧畜は行わず、放牧による山林の破壊が進まなかったと言う解釈です。

しかし、森の鎮守と言われるように日本では神社は森に囲まれています。しかも神社は神様の住まいではなく神事を執り行う場所に過ぎず、神様とは森そのもの、山全体が神様であるというのが、日本人の伝統的な神道の考え方です。そうであれば、日本人が神様の森林を破壊する筈はありません。

日本人の自然観、宗教観が国土の70%もの森林を残していると言う、レヴィ=ストロース氏の指摘は正しいのです。

更に素晴らしいことは、国土に残された70%の森林が、穏やかに移り変わる四季のお陰で、季節に応じて粧いを色々に変えることです。天然林は長い年月をかけて安定的な樹相を形成しますが、その過程で多くの樹種が入り交じります。

春には木々の若芽は濃淡のある薄緑色に、秋には赤や黄色の紅葉があでやかに、常緑樹は一年を通じて濃い緑色で明るい色彩を引き立てます。本当に日本は美しい森林に満ちあふれた国なのです。
(以上)

【2014/12/06 13:53】 | 文化 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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