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力みなぎる大木
                    樹の幹-08Pc

植物は34億年前に地球上に現れ、動物は10億年前に地球上に現れたと言われます。植物は光合成で炭酸ガスを酸素に変えて成長しますので、動物が誕生するまでの24億年間、植物は地球上に酸素を供給し蓄積し続けてきたことになります。

古代文明の多くは、大量の森林を伐採したため滅びたと言われます。それは森林というエネルギー資源を使い切ったから滅びたということですが、それだけでなく、酸素製造装置としての森林を破壊して酸素供給能力を減退させていたことにもなります。

その後、人類は先ず石炭を発見し、次に石油を掘り、今は地中からガスを絞り出してエネルギー資源とし、森林を主なエネルギー資源としなくなりました。しかし、余り多くのエネルギーを使ったので最近は地表の温度が上昇して騒ぎとなっていますが、燃焼には酸素を消費しますから、温度上昇だけでなく地球上の酸素を減少させていると騒がなければなりません。

悠久の地球の営みに比べて、人類の存在と活動は微々たるものですから、地球上の酸素が欠乏すると恐れることはないのですが、十数年ほど前、フロンガスの働きでオゾン層に穴が開き地上に届く太陽の紫外線が増えて、皮膚癌などの原因だと騒がれたことを思い出して下さい。

動物が海中から陸上に進出できたのは、有害な紫外線を低減するオゾン層が地球上を覆うっているからです。そのオゾン層の高度は、酸素濃度の上昇によって高くなったと言われます。森林が地上に供給する酸素は、動物の呼吸に必要なだけでなく、有害な紫外線からも動物を守ってくれているのです。

34億年もかけて植物が生成した酸素の層は、地球上に張りめぐらされた極めて薄い膜なのですが、地球上の動物たちにとっては、これほど必要不可欠なものはありません。そう考えて改めて天空を仰ぎ見ると、酸素に満ちた天空は急に大変重いものに見えてきました。

ギリシャ神話に、大地の果てに立って天空を支えることを余儀なくされた神アトラスが出てきます。ハイネの詩にシューベルトが作曲した「アトラス」という歌曲は、世界の悩みを一身に背負い孤独に耐えているアトラス神を、力強くダイナミクに歌い上げます。

そのアトラス神の化身のような大木を発見しました。満身に力をみなぎらせた大木です。
(以上)
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【2013/08/30 18:29】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
北海道の昆布漁は夏が盛り
                     恵山:昆布干し-02P 99t

日本料理の味付けは味噌・醤油ですが、味のベースは昆布と鰹節で決まると云われます。

食い倒れという位、食べものに関心の強い大阪は、昆布の消費量では日本一と云います。既に、江戸時代初期には、近江商人が昆布を買いに日本海ルートで北海道へ頻繁に出向いていたそうです。

海草類を食べる人達は世界にも沢山いますが、日本人くらい昆布に強い好みを持っている民族はいないようです。ですから、日本料理の味には昆布味がベースになったのでしょう。

ある日テレビを見ていましたら、日本料理の研究に来日したフランス人のコックは、昆布だしのスープに大変興味を持ち、この味はフランス料理にはない、是非フランス料理に取り入れたいと云っていました。

昆布は味が良いだけでなく、アルカリ性が極めて強い食品で血液の酸性化を防ぐ役割を果たし、また、カルシウムが牛乳の10倍も含まれていて骨を強くするという健康食品でもあります。

日本で昆布の収穫できるのは北海道だけです。7月から9月までが昆布漁の季節です。昆布への需要は大きく、乱獲を防ぐために昆布の漁場では採取する日数、舟、人数など細かく規制しているそうです。

昆布の品質は採取直後の天日干しが順調に行われるか否かに掛かっていると云われます。丸一日で干し上がるような天気の良い日が最適であり、品質の良い昆布に仕上がるそうです。

夏に北海道の海岸をドライブしていると、収穫した昆布が浜に広げられている光景を見かけました。小砂利を敷いた浜に一枚一枚丁寧に並べて紐で抑えて干している様子から、昆布が貴重品として大事に生産されていることが分かります。
(以上)  
【2013/08/23 16:31】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
香水 匂いは「聞く」もの
1.コート・ダジュール-15D 1105qr
写真1 フランス南部モナコ領のコート・ダジュール
 斜面には花卉栽培のガラス温室ハウスが並ぶ。

2.モナコ:香水工場-01D 1105qr
写真2 モナコの香水工場内に展示された香水製造機器
3.モナコ:香水工場-02D 1105q
写真3 モナコの香水工場内の土産物売り場に溢れる観光客 

匂いを楽しむのは人類だけと言われています。動物は敏感な臭覚を持っていますが、その臭覚は敵味方を識別する重要な能力であり、また食糧を探す時の大切な能力ですが、人間のように匂いを楽むものではありません。

勿論、人類も昔々は動物と同じように、そのような臭覚を持っていましたが、そのような能力は衰えて、何時の頃から匂いを楽しむ習慣が生まれたのです。

西洋ではエジプトの墳墓から芳香を放つ乳香が埋葬品として発見されているそうですから、紀元前の昔から人類は匂いを楽しんでいたようです。もっとも、その時代は楽しむというよりは、宗教的な行事に使われたと言われています。

中世以降には、オマーンなどで生産される乳香が、重要な交易品としてヨーロッパへ輸出されていましたから、匂いを楽しむ習慣はヨーロッパ社会にかなり広まっていたのでしょう。

エジプトほど古くはありませんが、日本でも日本書紀に芳香を放つ白檀(びゃくだん)を焚いた記録があります。当時は恐らく宗教の行事に使われたのでしょう。

室町時代には茶道や華道と並んで、香りを観賞する香道(こうどう)が生まれて、芸道の一つになりました。日本で発達した香道では匂いを「嗅ぐ」と言わずに「聞く」と言います。

目で見る絵は、描く人も観る人も孤独な中で楽しむものですが、耳で聞く音や鼻で嗅ぐ香りは人間の感性に訴えて、居合わせた人々の心を結び合わせる効果があります。匂いを音のように扱う日本の香道の「聞く」という表現は、誠に当を得たものです。

近世になると、天然の乳香や白檀のように素材をそのまま使うのではなく、花などの原料を化学的に処理した香水がヨーロッパで生まれます。ヨ-ロッパでは気候が乾燥していて入浴の習慣がなかったので、体臭を押さえるために香水が必要だったからです。

この種の香水の匂いは、悪い臭いを打ち消すための匂いですから、強さと持続力が必要でした。そのため西洋の香水が輸入されたとき、匂いの強さのため日本人には馴染めないものだったそうです。

そのように西洋の香水の匂いは強烈でしたから、とても「聞く」ような匂いではありませんでした。そこで大正時代に資生堂が西洋風の香水を売り出したとき、穏やかな香りを意味する「梅の花」「藤の花」という名前を付けて、西洋香水に対する日本人の違和感を消そうとしたそうです。

しかし、その後西欧の香水も悪い臭いを消すことから良い匂いを発散するものに変わっていきました。現代では、香水は女性だけでなく男性も使う時代です。香水の市場規模も国際的に拡大しています。

フランスは香水の生産で世界的に有名な国です。その生産地は地中海に面したリゾート地、カンヌ、ニースの丘陵地帯やモナコ領にあります。コートダジュールと言われる地中海沿岸は、気候が温暖で香水の原料になる花卉の栽培に適しているからです。(写真1)

最近、ニースの近くの砦の街、エズにある香料工場を訪れたとき、男性用香水に「イケメン」という銘柄がありました。日本人の男性目当ての銘柄が出ているとはは驚きですが、さぞかし匂いを「聞く」ために多くの日本人が押しかけているのでしょう。(写真2、3)
(以上)   
【2013/08/10 10:25】 | 文化 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
風鈴の音色を楽しむ風流
             2.川崎大師-20D 0907qt
             写真1 金属製の風鈴 
                         1.川崎大師-19D 0907q
                         写真2 江戸風鈴
                  4.川崎大師-14D 0907qt
                  写真3 不思議な形の風鈴
                       
                          3.川崎大師-15D 0907qt
                          写真4 モダンな嘉あっちの風鈴

日本人は虫の鳴き声を聞いて楽しむ風流を持っていますが、これは世界でも珍しいもののようです。外国人には鈴虫も松虫もコオロギも鳴き声は同じように聞こえて、雑音に過ぎないそうです。

日本人が夏に軒先に風鈴(ふうりん)を吊り下げて、風が吹くと鳴る風鈴の音色を楽しむのも、虫の鳴き声を愛でる風流と同じ感性です。

中国にも家の軒下に吊り下げて風で鳴らす風鐸(ふうたく)というものがあります。しかし風鐸は邪気を払うのが目的で、音を聞くためではありませんから風流とは無縁です。

日本の風鈴の歴史は古く、既に鎌倉時代にその記録があるそうです。しかし広く愛好されたのは江戸時代だと云われます。

この間、我が家の省エネ法を紹介するラジオ番組で、夜は冷房をかけずに窓を開け放して、軒下に吊るした風鈴の音(ね)を聞くのが一番よいと言う人が居ました。

そこで、江戸の夏も暑かったのだな、夜は風鈴の音で涼をとったのかと早合点しましたが、江戸時代の人に省エネの発想はありませんから、それは現代人の思い込みだと知りました。

日本人は虫の鳴き声に悲しさや寂しさを感じますから、風鈴の音にも似たような感情を託したと思います。風鈴の音には色々の音色があります。あるものは心地よく、あるものは寂しげに聞こえます。

風鈴には材質や形状によって鳴る音色が異なります。銅、鉄などの金属製の風鈴は鋭く澄んだ音色です。陶磁器製の風鈴は、少しかすれた音色で柔らかく感じます。(写真1)

ガラス製の風鈴は、軽やかな澄んだ音色です。江戸風鈴といわれるのはガラス製の丸い風鈴で、見た目に涼しさもあります。見た目を重視する風鈴にはモダンなデザインの風鈴が数多くあります。(写真2、3、4)

夏の夜、風を音に変えて楽しむ風鈴は日本の風流として誇れるものですが、最近、マンションなどの集合住宅では風鈴の音が騒音公害として嫌われているそうです。ふと、風鈴を省エネに使っている人が苦情を受けないか心配になりました。

写真は、神奈川県の川崎大師で年に一回開催される「風鈴市」で見つけた風鈴の数々です。
(以上) 
 
【2013/08/04 19:39】 | 文化 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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