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続 黴が描く絵
黴の造形の魅力に惹かれて、再度前回と同じ場所に黴の撮影に出かけました。今回は三脚を持参して万全を期したのですが、生憎台風前の雨降る中でしたので、メリハリのある写真は撮れませんでした。しかし、梅雨も過ぎた秋になっても、新たな黴の造形は進展しているのを発見しました。

黴は巧まざる自然の造形家であると思われる写真を下に掲げます。(写真5、6、7は黴と苔のコラボレーションです。)
 


1.黴-36D 1109qc
写真1
                 2.黴-37D 1109qt
                 写真2
                                   3.黴-39D 1109qt
                                   写真3
                  4.黴-40D 1109qc
                  写真4
5.黴と植物-32D 1109qt
写真5
                  6.黴と植物-34D 1109qt
                  写真6
                                    7.黴と植物-33D 1109qtc
                                    写真7

上の写真を見て感じるのは、空に浮かぶ雲に似て、黴は造形の天才だと思うのです。黴は夫々の領地を拡げながら、ぶつかると、時には手を結び、時には避けて、変幻自在に領地を拡げます。その結果、出来上がる領地の造形が大変面白いのです。

黴の本体は、先にも申したように菌糸と呼ばれる糸状の細胞から構成されているのですが、集団で増殖するとき、大きな生き物に変身して、一つの意志を持つのかのようです。その意志を知りたいと思い、じっと黴を眺めるのです。

黴が描く模様の中には動物や昆虫が潜んでいます。それを発見するのも楽しみの一つです。と思うと、複雑な造形の中にある不思議なリズムがあることに気づきます。それは私の想像の産物に過ぎないのですが、音楽を聴くように静かな感動をもたらします。

皆さんも具象探しやリズム探しをして見ては如何ですか?
(以上)
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【2011/09/22 17:21】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
黴が描く絵
   1.黴-18D 1106q
                                   2.黴-19D 1106q
        3.黴-09D 1104qc
                                    4.黴-11D 1106q

黴(かび)は日常生活で身近に見るものですが、食物を腐敗させたり衣類や部屋を汚したりするので、悪いものとして嫌われます。しかし、他方では発酵食品を産み出したり、薬品の原料を作ったり、大事な働きをするので貴重なものとして尊重されます。

黴は湿気を好み、太陽光を嫌いますから、棲息する場所は限られています。じめじめした薄暗いところに面状に広がって発生します。黴の本体は菌糸と呼ばれる糸状の細胞から構成され、集団で生殖するので人の目には平面に広がる領域として見えます。

この黴が繁殖する姿形は、その場所の環境や黴菌の種類により千差万別です。繁殖する黴の領域の形が面白いと感じたのは、ある山林のなかでした。幾つもある大きな岩肌に、夫々の黴が己の領域を自由に広げて、しかも或る間隔を保ちながら棲息している様を見て美しいと感じたのです。

人工植林の山林は整然として単純な美しさがありますが、人間の手が加わらない原生林は複雑なバランスの美しさがあります。それは異なる樹種が互いに制約し合いながら成長して、一つの森を構成する美しさです。

大きな岩肌の黴の成長の姿を見て、原生林の生育と同じ事を考えました。彼らは重なり合うことなく隙間を縫って自由に領域を伸ばした結果が、この姿なのだと。ここには、自然が産み出した密かな構造のバランスがあります。

この岩肌に棲息する黴にも違う種類があるようで、ある黴は面となり、ある黴は点となって、それぞれが配置される模様は、無造作に放置されたままとは思えない巧みさがあります。更に、赤みがかった岩肌の色彩が黴の色ににじみ出て、色彩にもグラデーションがあります。

三脚を持たずに山に入ったので、山林の中の薄暗い岩肌の撮影は難しかったのですが、何枚かのショットで黴の生態を捉えたと思います。

改めて写真を見ていると、意図しないことでしょうが、黴は成長する過程で無意識に画を描いているのではないかと錯覚する程の図柄です。この図柄をモデルにして絵画を描けば立派な抽象画になります。人間は自然には敵わないと感じました。
(以上)
【2011/09/14 11:31】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
屋根の色調は調整を
    1.写真、愛宕山-05D 03qt
    写真1 愛宕山から見た江戸末期の町並み
                       2.大内の宿-15P 96q
                       写真2 福島県の旧街道にある大内の宿
                                     3.城壁からのドブロブニク-02D 0610q
                              写真3 クロアチアのドブロブニク市街地
                         4.ジャカルタ-01N 74adbeeq
                         写真4 ジャカルタの住宅街
           4.多摩モノレールから-03D 1108qt
           写真5 東京の多摩モノレールから見た住宅街

昔は日本の家屋の屋根は、瓦屋根か藁葺屋根でした。幕末に来日したヨーロッパの写真家が日本各地を撮った写真を見ると、町や村の屋根が、瓦と藁の二種類で統一されているのが分かります。

江戸は人口規模でロンドンに匹敵する世界の大都市でしたが、来日した欧米人は、大都市でありながらこんなに清潔で美しい街は見た事がないと感嘆したそうです。美しさの一つは、黒い瓦で統一された屋根の並びにあると思います。

彼らが撮った写真の中に、愛宕山から芝方面を眺めたところがあります。黒い瓦屋根の武家屋敷が波打つように連なり、その間に見える白い壁と相俟って、確かに美しい町並みです。(写真1)

江戸の街だけでなく、地方の各藩の城下町も同じ景色だったでしょう。浮世絵などで見る昔の宿場町の町並みも整然としています。現存する福島県の大内の宿を訪ねて見るとると、藁葺屋根の旅館が整然と並んでいて、現在の町並みよりずっと美しいと感じます。(写真2)

外国の例を挙げると、アドリア海の真珠と言われる都市、クロアチアのドブロブニク市は煉瓦色の瓦屋根の美しい街です。城壁の上に登って眺めると、煉瓦色の屋根が町一面に敷き詰められた景観に思わず美しいと叫びたくなります。
(写真3)

先般のユーゴ分裂戦争で殆どの屋根瓦が破壊されたそうですが、市民全員の協力で膨大な経費をかけて復旧したのだそうです。クロアチア人の町並みの美観に対する情熱に、私たちも学びたいと思います。

途上国でも、昔の伝統的な町並みは美しいものでした。昔ジャカルタを訪ねたときホテルの窓から見た住宅地は、熱帯植物の間に煉瓦色の屋根が分散して見えましたが、緑色と橙色の組み合わせも良く、見事な風景でした。(写真4)

それに引き替え、写真で見るように東京の郊外に広がる住宅街の屋根の色はばらばらです。その屋根の間を電柱が突き出て電線が雑然と張られています。どう見ても美しくはありません。
(写真5)

外国旅行をして町並みの美しさを見るにつけて、日本でもせめて屋根の色彩だけでも町単位で調整して、町の美しさを演出してみては如何かと思います。
(以上)
【2011/09/07 21:07】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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