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廃墟姿も装飾の内
                        銀座三原通-02D 1102q
                        写真1 銀座三原通りにて
                     自由が丘廃屋-02D 1101qt
                     写真2 東京の自由が丘にて
                     自由が丘廃屋-03D 1101qr
                     写真3 東京の自由が丘にて

お客相手の商売では外観の見栄えを良くします。況して、食べ物屋は豪華とはいかなくても小綺麗にします。楽しく食事をさせるには、それが当然だからです。

ところが、人々の注目を惹くためか、逆にわざと汚して薄きたなくする店も偶に現れます。その極端なレストランや飲み屋を東京で見つけました。

一つのケースは、東京のど真ん中の銀座です。流石そのレストランは銀座でも裏通りにあるのですが、それでも広い道路に面しており、建物の前面は鬱蒼とした木々に覆われた、入口は狭く、室内は薄暗い異様なレストランです。(写真1)

もう一つのケースは、モダンで瀟洒た町並みを売りにしている自由が丘の街です。果たして現在営業しているのか疑わしい程荒れ果てていましたが、もし今は廃業していたとしても、営業当時も汚れを売り物にしていた店に違いありません。(写真2、3)

これらの店で食事をしたわけではありませんので料理の善し悪しは知りません。しかし、外国での昔の体験ですが、このような外観のレストランは、概して料理は美味しいと記憶しています。

30年余り前の古い話になりますが、タイに滞在していた頃、バンコックの市内に化け物屋敷然とした西洋料理屋がありました。ハンガリー人が経営していた店で、鹿肉料理を売りものにしていました。

手探りで歩くような薄暗い室内には装飾らしきものは殆どなく、来客から受け取った名刺を部屋の壁じゅうに貼って装飾としていました。しかし、料理は美味しいので何時も来客はあって、繁盛していました。

同じくバンコックでの経験ですが、タイの芸術大学の教授に昼食に招待されたとき訪れたタイ料理のレストランは、古色蒼然とした古いビルの3階にありました。

そのレストランにはエレベーターはなく、3階まで階段を上がる途中の天井には蜘蛛の巣が張っていて、部屋の窓の扉は壊れていました。その経営者は、むかし王宮の料理長だった人だそうで、流石に料理の味は一流でした。

そうしてみると、飲食店は外観で判断してはいけないので、店の外観には費用を掛けず、中身の料理で勝負する店を選ぶ方が賢明なのかも知れません。廃墟姿は奇をてらったのではなく、料理に専念した結果だと言うわけです。

そう言えば、古色然とした店が新しいビルに転居して綺麗な店になったので訪れてみると、料理の味が落ちていたりすることもありました。外観より中身が大事なのは、何も飲食店に限りませんけどね。
(以上)
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【2011/02/25 10:21】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
春の雪に喜ぶ木々たち
1.代々木公園:サルスベリ-03D 1102q
写真1
           2.代々木公園:サルスベリ-06D 1102q
           写真2
                    3.代々木公園雪景色-04D 1102q
                    写真3
                                   4.代々木公園雪景色-11D 1102q
                                   写真4

春先に花を襲う雪について既に書きました。
( 「春先の花を襲う雪」2011.01.30)

この冬は寒い日が続きましたが、二月のヴァレンタインデーに春の雪が降りました。「春の雪」は俳句では三月の季語ですが、突然襲って忽ち溶ける雪は、二月に降っても春の雪です。

春の雪は、その名の通り春を呼ぶ雪です。雪が降った翌日は暖かくなり、乾燥した空気もしっとりして人々に歓迎される雪は、間違いなく春の雪です。

ただ、春の雪は水分を含んでいて重いので、木々の上に大量に積もったときは、その重みで枝が折れることがあります。しかし、春の雪は、芽生えの準備をしている木々にとっては恵みの雪です。

地表に積もった雪は数日かけて溶けるので、木々の根に十分な水が徐々にしみ込みます。木々は、久しぶりのお湿りで元気になりますが、葉を落とした木々の表情には変化は現われません。

しかし、春の雪は全てのものを明るくします。地表の雪は、太陽の光を反射して木々を下から照り返します。すると、無言だった木々にも喜びの表情が見えてきます。

サルスベリの白い木肌は、白い雪によく合います。平板な雪面が曲がりくねった枝振りを浮き立たせます。花も葉もないサルスベリがこんなに美しく見えたことはありません。(写真1、2)

また、春の雪は、大地に投げかける木々の陰影を鮮やかに浮かび上がらせます。暗い冬の地面では見えなかった大樹の姿が鮮やかに雪の地表に映るのです。(写真3)

雪面の陰影から目を上げると、そこには黒い大樹がそそり立っています。雪の白さに慣れた目には、その樹幹は漆黒の黒さです。春の雪で力漲る黒さです。(写真4)

こうして、代々木公園の木々たちは、夫々に春の雪を喜んでいました。
(以上)
【2011/02/18 22:03】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
老木の生き方に学ぶ
           樹木-26Pqc
           写真1 未だ元気な頃
                             新宿御苑-12D 0711qtc
                             写真2 倒壊した様
               椋の老樹-01D 0706qrc
               写真3 未だ元気な頃
                              椋の老樹-04D 1101q
                              写真4 介護されて
天然の森林では、寿命が来た木は枯れて倒れて森林に空間を空け、そこに次の若木が育ちます。その課程を繰り返しながら森林は樹種の構成を徐々に変えていきます。

そしてある年限に達すると、その森林の樹種構成が安定して変らなくなります。こうして出来た森林を原生林と言います。

明治神宮の守は、百年余り前に更地に植林をして、人工的に造成された原生林です。人手を入れない方針なので、森の中に時たま倒木を見ることがありますが、放置されています。

原生林は、天地に大変動が無い限り永遠に生き続けるので、原生林には寿命と言うものはありません。しかし、原生林の構成員である個々の樹木には寿命があります。動物に寿命があるように、植物の個体には寿命があります。

樹木は人間より寿命が長いので、私たちは老木が枯死する様を見ることは希ですが、偶には神社や公園で老木が最後を迎えている場面を見ることがあります。(写真2)

古い大木が、嘗ての生い茂った壮大な姿を消して、太い幹も根の部分だけになって、その先に小枝だけを伸ばして生き続けている様を見ることがあります。そのような老木が、倒壊を防ぐため支柱やワイヤーで、保持されている姿を見ると、健気だとな思うと同時に、憐れにも感じます。(写真4)

嘗てこのブログで、老木が倒壊する状態になったなら、下手に保持のための工作をするのではなく、斬り倒せと主張しましたら、樹木と言えども生命(いのち)がある限り延命工作をすべきであり、それが愛情だと言う意見が寄せられました。

しかし、樹木にも尊厳があります。生命あるものには尊厳死する権利があります。その樹木は、支柱やワイヤーで保持された姿を曝し続けることを果たして望んでいるでしょうか?
(以上)
【2011/02/12 10:33】 | 発見する | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
色は威嚇し誘惑する
                     自由が丘看板-08D 1101qt
                        自由が丘看板-06D 1101qtc
                     自由が丘看板-12D 1101q

色彩感覚は民族により異なります。熱帯地方の人々は原色を好み、太陽光の少ない北欧の人々は淡いモノトーンを好み、四季がほぼ均等の長さで穏やかに気温が変化する日本の人々は、中間色を好みます。

人々が住む自然の環境と人々の色彩感覚との間には、一定の法則があるようですが、それはあくまでも生得的な色彩感覚であり、民族でも個人でも学習することで第一次的な色彩感覚を変えることもあります。

フランス革命を題材にした絵画「民衆を導く自由の女神」で有名なウジェーヌ・ドラクロワは、若い頃北アフリカを旅して、そこで見た強烈な原色の風景に打たれ、その後描いた絵画で印象派の画家達に大きな影響を与えました。

若くしてパリに学んだ画家岡本太郎は、帰国後、縄文時代の土器の芸術性に触発されて、それまでの日本芸術にはない強烈な色彩を駆使した絵画を描きました。中間色を好む日本人の意識の基層に潜むもう一つの色彩感覚を掘り起こしたのでしょう。

写真は、街中で見かけた二階建ての家の外観です。原色を塗り分けた誠に無骨な外観ですが、この家が道行く人々の注目を引くことは間違いありません。

昆虫や両棲類は、時々派手な原色で他の動物を威嚇します。それは弱さを隠すものですが、その原色で逆に利用すべき他の動物を誘惑する場合もあります。

この建物は威嚇しているのでしょうか、誘惑しているのでしょうか、見る人々にお任せいたします。
(以上)
【2011/02/06 15:28】 | 芸術 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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