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柔らかい光
男鹿:車窓-03P 99
(写真1)

               日本海-12P 99
               (写真2)

                              富士山-09P 89
                              (写真3)

写真は光で撮るものですが、光は強すぎても弱すぎても困ります。一枚の写真を撮るとき、その画面に強すぎる光と弱すぎる光が同居すると、写真は見た目とは違ったものになります。

風景や場面を見るとき、人間の眼は焦点となるポイントの光量に合わせて瞳孔を開いたり閉めたりするので、眼に入ってくる光量を調整して感じますが、カメラはそのような柔軟性はなく、画面全体の露出度をどれか一つに決めて仕舞います。

強い光に露出度を合わせば弱い光の部分は見た目よりも暗くなります。逆に弱い光に露出度を合わせば、強い光の部分は露出オーバーで色が飛んで仕舞います。

更に、光は周囲の物体に反射して二次的な光を発します。この二次的な光は、主たる光が照らさない暗い部分を照らします。これを光が廻ると言います。光が廻ると、強い光と弱い光の差を埋めてくれます。そこに柔らかい光が出現しているからです。

朝と夕方は、太陽は地平線に近くなり、斜めや横から光が来ます。昼間と違って太陽の光は穏やかになります。大気層を斜めによぎる太陽光線は赤みを帯びます。ここでも柔らかい光が出現します。それも色着きの柔らかい光です。

被写体にも二種類あります。光を鋭く反射するものと、柔らかく反射するものです。水面は鏡のように光を鋭く反射しますが、ススキの穂は光を吸い込むように柔らかく反射します。雲は太陽の光を一旦吸収してからはき出します。その効果はフラッシュを天井に向けて焚いたのと同じです。

柔らかい光を捉えた三枚の写真を掲げました。雲の間接光が海の青を照らしている(写真1)、沈む夕陽の赤みを帯びた柔らかい光でも田んぼは強く反射している(写真2)、夕陽を受け止めるススキの穂は柔らかく光を含んでいる(写真3)と言う例です。
(以上)


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【2007/03/18 08:00】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
日本のデザイン力とデザイナーたち
デザイナーという職業は若者にとって魅力ある仕事です。華々しい職業なので多くの優秀な若者が集まります。成功すれば高い報酬も約束されるので、日本でも益々希望者は増えています。

高度成長時代の日本では、性能の良いものを安く早く作ることが至上命令でした。デザインには関心が低く、重要性を認めませんでした。デザイナーの質も低く、デザイナーの意見が尊重されることも少なかった時代でした。従って、デザイナーという職業は、芸術に関心ある人々以外には魅力ある職業ではありませんでした。

高度成長時代が終わり、人々が量より質を求めるようになると、デザインへの関心が急速に高まります。デザインへの関心は、先ず輸出商品から始まりました。海外市場での競争では、デザインの善し悪しが大きく影響することを実感したからです。

輸出品は電気製品、自動車などの工業製品でしたから、先ず日本のデザイン力は工業製品で試されました。やがてデザイン重視の傾向は産業全般に広がります。企業は市場で勝負を決めるのはデザインだと考えるようになったからです。

次に、大量のものが安く買えるようになると、国内の消費者も良いデザインを求めます。それが企業のデザイン重視政策を更に加速させ、デザイン力を引き上げます。最近では、海外から日本のデザインは簡素で繊細だと評価され、遅れていた日本企業のデザイン力は、国際的にも負けなくなりました。

確かに、戦後の長い間の努力により、日本企業のデザイン力は目覚ましい成長を遂げましたが、本当に実力を備えたかと言うと疑問が残ります。

デザインの良さは一つの商品における装飾性と機能性の融合の良さにありますから、単に商品が便利で安いからというだけでは早晩、厭きられるか、より便利な次の商品に取って代わられます。その商品が長く使われるには、人々の感性に訴える力があり、使う人の生活を感性的に充足させ得る必要があります。

それでは、人々の感性にヒットする商品はどうして生み出せるのか? 海外からの日本製品への評価は簡素さと繊細さにあると、先ほど述べました。その特性は日本の伝統工芸が生み出したものです。伝統には日本人のデザインへの知恵が沢山詰まっています。新しいデザインを考案するときには、古い伝統の知恵を渉猟してみては如何ですか?

近年、日本での美術展やファッション展に大勢の人々が押しかけています。今年(2007年)、東京で開催された「オルセー美術館展-19世紀芸術家たちの楽園」は連日超満員です。入場者は絵を見ずに人の頭と肩を見てきたと笑い話をしていました。日本では、地方の美術展も大いに賑わっていますし、現代アート展にも大勢の人々が集まっています。

芸術というものは、人間の感性を磨き、将来を予見する能力を鋭くするものです。デザインの根底は芸術につながっています。デザイナーはデザインの根源に関心を寄せることも忘れてはならないでしょう。
(以上)


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【2007/03/12 12:33】 | デザインする | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
上空から見た富士山
富士山-03P 96c

上空から見た富士山

                富士山-06P 93t

              高く聳える富士山

                                   富士山-03P 86tc

                              あけぼのの富士山

霊峰富士は、日本人の信仰の山です。憧れの山です。誇りの山です。信仰と憧れと誇りを以て、詩人は富士山を歌に詠み、画家は富士山を描き、写真家は富士山に向けてシャッターを切りました。

富士山の写真と言えば、戦前から富士山を撮影した有名な写真家に岡田紅陽がいます。富士山を恋人と見立ててあらゆる角度から美しい富士山を撮りました。今でも、富士山を撮り続けるプロ、アマの写真家は沢山います。何しろ富士写真家連名なる組織もある程ですから。

富士山の人気は、富士山が均整のとれた独立峰であり、日本の最高峰であることです。地上から見上げる富士山の美しさは誰でも知っています。しかし、飛行機で空から見下ろす富士山は不思議な感じがします。

この頃は、空中撮影した山岳写真は沢山ありますので、山は見上げるものではなく、上から見下ろす写真を見て感激すること屡々です。しかし、それが富士山についてだけは、見下ろすと不思議な感覚を持ちます。

機械文明が生んだ飛行機が伝統的な美を壊しているなどと言いませんが、富士山を見下ろすという行為は、何か見てはいけないものを見てしまったと言う不思議な感覚を持たすのです。私たち日本人が昔から抱いていた富士山に対する畏敬の念に逆らうように思うのです。

夏目漱石は、ロンドンに留学したとき、轟音をたてて走る蒸気機関車に嫌悪感を抱いた様子を、故国への手紙に書いています。アポロ計画でアメリカの有人宇宙飛行士が月面着陸したとき、人類が月に対して抱いていた感情が変わったと嘆いた人々がいました。

先端技術が人間と自然の関係を変えることは避けられません。機械文明は既存の自然を破壊しながら、機械文明を含んだ新しい自然を造っていることも事実です。農耕文明が狩猟文明の自然を変え、工業文明が農業文明の自然を変えたのは必然でした。

それでも、私は空から見下ろす富士山よりも、青空に高く聳える富士山が好きです。大空の雲を背景に一人毅然として聳える富士山が好きです。
(以上)


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【2007/03/06 09:47】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
ピンホールカメラの人気

写真が日本に入ってきた頃、写真撮影には特別の技術が必要でした。ですから当時は写真を撮影できる人は、それだけで尊敬され有名人になれました。

しかし、その後の写真機とフィルムの素晴らしい進歩のお陰で、今では誰でも写真機のシャッターを押せば、一応の写真が撮れるようになりました。バカチョン・カメラという言葉がそれを象徴しています。

それなのに、何故か今、ピンホールカメラに静かな人気が起きていると新聞(日経流通新聞 07.02.19)は伝えています。ピンホールカメラはカメラの原型です。箱に小さな穴を開けて、その反対側に感光する印画紙などを置くと、外界の光が小さな穴を通って印画紙上に象を結んで感光するという原理です。

子供の頃、朝起きて雨戸の節穴から朝日が入り、障子に庭の木々が逆さまに写っているのを発見したときは驚きでした。その時、私は知らずにピンホールカメラの中に入っていたのです。雨戸の節穴は不規則で大きいものでしたから、障子に写った映像は歪んでかすれていました。

昔、ベスト版というカメラがありましたが、レンズは二枚だけでしたから映像はシャープではありませんでした。でも、その写真機で撮った写真は、ほんわかした雰囲気のあるもので、今でもそれを愛する人達はいます。

今売り出されているピンホールカメラはかなり精緻に作られているそうで、写された映像は十分満足できるとのことです。そして昔、ベスタンレンズで写した写真のように、ほんわかしたボケがあるようです。

現在のピンホールカメラへの人気は、余りに電子化し精緻になったカメラに人間の情感がついて行けなくなった証かもしれません。
(以上)


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【2007/03/02 12:13】 | 写真論 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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